
お疲れさまです、カミナギタツキ(@kaminagitatsuki)です!
今回レビューする作品は、2022年1月24日にスクウェア・エニックスから発売されたPS5/Steamほかで展開しているオープンワールド型のアクションRPG作品『FORSPOKEN』です。
2回の発売延期を経て、ようやく発売された2023年の注目作です。
この記事では『FORSPOKEN』のクリア後の感想やオススメしたいポイント、イマイチに感じたポイント、どんな人にオススメできる作品なのかについて解説していきますので、購入する際の参考にしていただけたら幸いです!
- どんな作品なのか知りたい
- この作品の魅力を知りたい
- 自分に向いている作品なのかが気になる
結論:『FORSPOKEN』はプレイヤーの好き嫌いがハッキリと分かれるオープンワールドアクションRPG作品!



結論から言います!
『FORSPOKEN』は、ユーザビリティの悪さとストーリーの内容から好き嫌いがハッキリと分かれるオープンワールド型のアクションRPG作品です!
本作の売りである「魔法パルクール」による戦闘や広大なオープンワールドのフィールドを駆け回る楽しさはありますが、メインメニュー画面のユーザビリティの悪さや面白みのない寄り道要素、好き嫌いが大きく分かれるメインストーリーなど、「魔法パルクール」以外の部分で作りの粗さを感じる作品となっています。
オススメポイント | イマイチポイント |
---|---|
ド派手な魔法とド派手なエフェクトの戦闘が楽しい 魔法パルクールによる移動が超快適 | 全体的にユーザビリティの悪い 寄り道要素がほとんど面白くない 好き嫌いが分かれそうなストーリー内容 街中で魔法が使えないストレス |
- 一風変わったTPS風の作品を遊びたい人


『FORSPOKEN』の作品概要
タイトル | FORSPOKEN |
ジャンル | アクションRPG |
対応機種 | PS5 / Steam / Epic Games Store / Microsoft Store |
発売日 | 2023/1/24 |
クリア時間 | 約21時間 |
あらすじ
ニューヨーカーである主人公「フレイ」は廃屋で見つけた不思議な腕輪の力で突如異世界「アーシア」に飛ばされてしまいます。フレイの腕には廃屋で見つけたしゃべる腕輪の「カフ」がいつの間にか巻かれており、フレイはカフによる魔法の力を操りながら、元の世界へ帰る手がかりを探すための旅を始めます。
元の世界へと帰るための手がかりを求める中でアーシアが「タンタ」と呼ばれる4人の統治者たちの力の影響で、崩壊の危機が迫っていると知ることになるのですが……。


『FORSPOKEN』のオススメポイント
ド派手な魔法とド派手なエフェクトの戦闘が楽しい


本作の中でもっともオススメしたいポイントは、ド派手な魔法による戦闘です。
本作では紫、赤、青、緑の4種類の属性魔法が用意されており、さらに各属性ごとに3種類の攻撃魔法と8種類の支援魔法が用意されています。使えるようになる属性が増えることで操作自体は複雑になるものの、紫の支援魔法で足止めをしつつ、赤の攻撃魔法で敵をブン殴るといった組み合わせができるようになるため、新しい属性魔法が増えるたびに戦闘が楽しくなりました。
さらに広大なフィールドを駆け回っていると、大量の敵に遭遇する場所がいくつかあり、大量のゾンビの攻撃を華麗に回避しながら広範囲の魔法攻撃を駆使して戦えるのは本作ならではの魅力ではないかと思います。
また、本作は魔法を発動した時のエフェクトはとても美しく描かれており、大半のリソースは魔法のために割いているのではないかと思えるほどでした。なかでもボス戦での魔法攻撃の描画は素晴らしく、ボスの繰り出す魔法攻撃もド派手なものが多いため、派手な演出の魔法攻撃が飛んでくるたびについついフォトモードを起動して、スクリーンショットを撮りたくなるほど見事な作りになっています。
一方で魔法の演出にリソースを割きすぎた影響かは分かりませんが、次世代機専用のタイトルとは思えないほど3Dモデルの粗さが目立つ部分やムービーシーンでは全体的にぼやけて見えるシーンも多かったのが少し残念でした。





戦闘中は気になりませんが、ムービーシーンでは結構気になるレベル
魔法パルクールによる移動が超快適


次にオススメしたいのが、本作の売りである「魔法パルクール」によるフィールド移動です。
本作ではほかのオープンワールド作品のようにフィールドが平面に広いだけではなく、断崖絶壁の崖や空中に浮かんでいる岩など高低差がかなり激しい作りになっています。
一見すると進めなさそうな道も魔法パルクールによって華麗に(あるいは強引に)進むことができるため、遠回りせずに目的地まで一直線に進むことができ、移動に関してはほとんどストレスを感じることがありませんでした。
また、魔法パルクールによる高速移動中は敵のど真ん中に突っ込んでいっても余裕で逃げ切れる速度になっているため、戦闘よりも探索を優先したい場合にも有効です。
移動に関してまったくストレスを感じなかったわけではありませんが、操作に慣れてくると直感的な操作だけでどんな場所でも先に進めるようになり、最短距離で目的地にたどり着けるようになってくるため、移動面に関してはほかのオープンワールド作品にも引けを取らない作りになっていると思いました。



赤の魔法を習得した後は上にも下にも自由に動けるようになります!
『FORSPOKEN』のイマイチポイント
全体的にユーザビリティの悪い


本作をプレイしていて筆者がもっとも不満に感じた部分は、メインメニューのユーザビリティ(使い勝手)の悪さです。特にワンアクションでマップ画面が開けない仕様となっているのがかなりストレスに感じました。
本作ではメインメニューを開くとマップのほかに、装備を変更できるギアメニューや集めたアイテムを確認できるリソースメニューなどがあるのですが、メインメニューを閉じた時に最後に選択したメニュー項目が次回メインメニューを開いた時に引き継がれる仕様になっているため、マップを確認するためにいちいちマップメニューを選択し直すという作業がかなり面倒でした。
とくに本作ではフィールド上に配置されている宝箱の位置もマップから確認できるため、ほかのオープンワールド作品と比べてもマップを確認する回数が多くなっているにも関わらず、ワンアクションでマップが開けない仕様となっているのはかなり不親切に感じました。
せめてタッチパッドの長押しで必ずマップを開けるような設定は追加してほしかったと思います。



オープンワールド作品ですぐにマップを開けないのは致命的
寄り道要素がほとんど面白くない


本作ではオープンワールドの作品らしく、多くの寄り道要素が用意されているのですが、その内容がとにかく面白みのないものになっています。
寄り道要素の種類にもいくつかあり、サイドクエスト(作中ではサイドパス)やフレイのステータスを強化したり、新たなスキルが習得できるもの、敵の殲滅、強力な敵との戦闘、ハイスコアを目指すチャレンジクエストなどがあります。なかにはネコに気付かれないように近づき、インタラクトするだけの謎のクエストもあります。
さらに街中でNPCから依頼されるサイドクエストに関しては、ネコを追いかけるだけのクエストや街中をたらい回しにされてNPCに話しかけるだけのクエスト、指定の場所からアイテムを回収してくるだけのいわゆる「おつかいクエスト」など、ただの使いっぱしりや意図が分からない内容のクエストがほとんどです。
これらの寄り道要素のほとんどはプレイヤーを引きつけるようなストーリーが展開するものがなく、「本編を後回しにしてでもこのクエストを進めたい!」と思わせるほどの魅力を感じるクエストがなかったのがかなり残念でした。



ネコを追いかけるだけのクエストはまったく面白くなかったですね……
好き嫌いが分かれそうなストーリー内容


本作のストーリーに関してですが、プレイヤーによってかなり好き嫌いが分かれる内容になっているかと思います。ネタバレになってしまうためあまり多くは語れませんが、本作のストーリー展開はやや「非王道」寄りの内容となっています。
一刻も早く元の世界に帰りたいと願うあまり、苦しむアーシアの人々を見捨てようとするフレイと「お前しかなんとかできる人間がいないんだからなんとかしてくれ」と完全に他力本願なアーシアの住民たちの衝突は、見ていてあまりいい気分になる内容ではありませんでした。
その後のストーリーもフレイのご都合主義な展開で物語が進んでいくため、賛否が分かれてもしかたない内容かなと思いました。



どちらの言い分も理解はできるんですけどね……
街中で魔法が使えないストレス


本作では崩壊寸前の世界という設定上、フレイやNPCたちのセーフスポットとなる街が1つしか存在しないのですが、この街にいる間の移動がとにかく面倒です。
まず、街中ではストーリー進行による戦闘以外で魔法を使うことができないため、本作の売りである「魔法パルクール」が完全に死んでしまいます。その上、この街自体がそこそこ広めに作られており、場所によっては高低差もあるため、街中で発生するサイドクエストやNPCに話しかけるだけのイベントのために街のあっちこっちを走らされるのはかなりストレスに感じました。
街中で魔法を使えなくする意味もあまり感じられなかったのですが、街自体をコンパクトにして移動の手間を減らすか、別の区域に瞬時に移動するための別の手段を用意するなどの工夫は必要だったのではないかと思います。





「魔法パルクール」とはいったい何だったのか
『FORSPOKEN』をオススメできる人
一風変わったTPS風の作品を遊びたい人


本作をオススメできる人は、一風変わったTPS風の作品を遊びたい人です。
本作のジャンルはあくまで「アクションRPG」なので厳密にはシューティングゲームとは異なりますが、本作で使える4つの属性魔法のうち3つは遠距離系の魔法のため、遠距離攻撃主体で戦うことがどうしても多くなります。そのため戦闘自体はTPSのような戦い方に近いと感じました。
本作にはロックオン機能もあり、残弾数も気にする必要がないため、エイムやリロードといった本格的なシューティングゲームの要素を求める人にはオススメできませんが、ド派手な魔法をぶつけてスカッとしたい人や魔法の弾を撃つ爽快感を味わいたい人にはオススメできる作品です。
まとめ:『FORSPOKEN』は「悪い意味」で期待を裏切られた作品


以上、魔法で戦うオープンワールド型のアクションRPG作品『FORSPOKEN』について紹介しました。
個人的な評価としては、戦闘や魔法パルクールによる移動は楽しいけど、それ以外の要素の作りの粗さが足を引っ張り、純粋に楽しみづらい作品だったかなと思います。
本作のコンセプトはおそらく魔法を使ったTPS風の戦闘と「魔法パルクール」による快適かつ爽快な移動にあると考えているのですが、既存のタイトルにはTPSのように遠距離攻撃や罠を駆使して戦うオープンワールド作品として『Horizon』シリーズがあり、快適かつ爽快な移動を楽しめる作品として『Marvel’s Spider-Man』がすでにあります。
本作はその両方を組み合わせた結果、どちらにも遠く及ばなかった作品ができあがってしまったという印象を受けました。
本作はもともと2022年5月に発売を予定されていたのですが、発売が2度延期している作品でもあります。1度目はクオリティアップのため、2度目は最終調整の名目で発売が延期されました。おそらくですが、2度目の延期は2022年9月〜10月にかけてスクウェア・エニックスから発売されるほかの作品と発売時期が被るのを避けたかったものと思われます。
筆者自身としてはこの2度の発売延期によって、本作への期待のハードルがかなり上がっていたので、印象としては悪い意味で期待を裏切ってくれた作品となってしまいました。少なくとも1度目の発売延期で予定どおり発売されていれば、少しは印象が変わっていたかと思います。
以上、カミナギタツキでした!



最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


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