
お疲れさまです、カミナギタツキ(@kaminagitatsuki)です!
今回レビューする作品は、2023年3月21日にKepler Interactive Limitedから発売されたニューカレドニアからインスピレーションを受けて制作されたPS5/PS4用のオープンワールドアドベンチャー作品『Tchia』です。
この記事では、『Tchia』のクリア後の感想やオススメしたいポイント、イマイチに感じたポイント、どんな人にオススメできる作品なのかについて解説していきますので、購入する際の参考にしていただけたら幸いです!
- どんな作品なのか知りたい
- この作品の魅力を知りたい
- 自分に向いている作品なのかが気になる
結論:『Tchia』はニューカレドニアの雰囲気の良さだけが売りのアドベンチャー作品!



結論から言います!
『Tchia』は、ニューカレドニアの雰囲気の良さだけが売りのアドベンチャー作品です!
ニューカレドニアからインスピレーションを受けたと謳っているだけあり、グラフィックや音楽など世界観はバツグンの作品となっています。
一方でオープンワールド作品として不満な部分も多く、単調になりがちな戦闘やマップUIの作り、自分の現在位置が正確に把握できないシステムなどがマイナスポイントとして挙げられます。なにより温かな世界観とは真逆のストーリー展開にはかなりガッカリした作品でした。
オススメポイント | イマイチポイント |
---|---|
ニューカレドニアをリスペクトしたグラフィックや音楽 オブジェクトに憑依する独自のシステム「ソウルジャンプ」 | 単調かつ面倒に感じる戦闘 恐ろしいほど見づらく、使いにくいマップ 世界観に似つかわしくない残虐な描写の数々 |
- ストーリーに重点を置いていないオープンワールド作品を遊びたい人






『Tchia』の作品概要


タイトル | Tchia |
ジャンル | アドベンチャー |
対応機種 | PS5/PS4(Steam版も発売予定) |
発売日 | 2023/3/21 |
クリア時間 | 約8時間(ストーリーのみ) |
『Tchia』のオススメポイント
ニューカレドニアをリスペクトしたグラフィックや音楽


本作では繰り返し「ニューカレドニアからインスピレーションを受けた」と謳っているだけあり、作中で描かれる大自然のグラフィックや時折流れるBGMは世界観とマッチしていて、素晴らしいと感じました。


本作ではゲーム開始時に開発者からプレイヤーへのメッセージがいくつか表示されるのですが、「本作はニューカレドニアの風景や文化、音楽、伝統など様々なものからインスピレーションを受けて作り上げたラブレターである」と語られています。吹き替えを務める声優さんにも現地のタレントの方を起用するなど、開発者たちの並々ならぬ「ニューカレドニア愛」を感じる作品になっています。


ただ1点残念に感じたのは、1チャプターに必ずと言っていいほど音ゲー要素が入ってくることです。
この音ゲー要素ですが、演奏後にスコアが表示されたり、失敗するとゲームオーバーになるわけでもないのですが(自動プレイに切り替えることも可能)、トロフィーの獲得条件に「ミュージックシーケンスを100%で達成すること」という条件があるため、トロコンまで含めてやりこみたい人は注意が必要な要素になっています。
この音ゲー要素は音ゲー初心者である筆者からすると、なかなか難しく感じる部分もありました。ストーリー中盤以降まで進めるとノーツの量も増えて操作が忙しくなり、せっかくの音楽をじっくりと聴くことができなかった点に関しては、少し残念に感じました。



最初は自動プレイにして音楽に耳を傾けてみるのがオススメです!
オブジェクトに憑依する独自のシステム「ソウルジャンプ」


本作を語る上で外せないのが独自のシステムである「ソウルジャンプ」です。ソウルジャンプは物体や生物に憑依できるシステムであり、犬に憑依して広い大地を走り回ったり、鳥に憑依して大空を駆け回ったりなど人間の姿では体験できない行動をとることができます。
本作では犬や鳥といった生き物だけではなく、道端に転がっている岩やヤシの実などインタラクトできるオブジェクトであればほとんどのオブジェクトに憑依することが可能です。
しかし、この憑依は無限にできるわけではなく、憑依中は「ソウルメーター」と呼ばれる魔力量のようなものを徐々に消費します。ソウルメーターが空になってしまうと元の姿に戻ってしまい、回復するまでは人間の姿で行動しなければいけません。
ゲーム序盤はソウルメーターの初期量が低いため、憑依してもすぐに解除され、ソウルメーターの回復を待ってから別の動物に憑依するといった行動を繰り返さなければならず、少し遊びにくさを感じました。





空を飛べる動物に憑依すると移動の幅が一気に広がります!
『Tchia』のイマイチポイント
単調かつ面倒に感じる戦闘


本作では一応戦闘要素が用意されており、敵キャラクターとして「マーノ」と呼ばれる布の身体を持つ兵士が登場します。このマーノには物理攻撃が通用せず、ソウルジャンプでランプや爆弾に憑依してから敵にぶつけて、相手を燃やさないと完全に倒し切ることができないシステムになっています。
まわりには大量に憑依できるオブジェクトがあるにも関わらず、敵を倒すことができるのは敵に引火できるオブジェクトのみになっているので、必然的にオブジェクトの中から引火できそうなオブジェクトを見つけて憑依してぶつける、見つからなければひたすら逃げるだけの2択となり、戦闘自体がやや単調に感じてしまいました。
憑依するオブジェクトによって戦闘の幅を広げることができたり、敵のバリエーションなどを増やすことができれば、戦闘自体もより面白いものになっていたのではないかと思います。



戦闘しなくてもクリアするだけならなんとかなってしまうのも残念なところですね
恐ろしいほど見づらく、使いにくいマップ


本作ではマップや画面右下に表示される目的地までの方角を表示するコンパスがとにかく見づらく、使いにくいシステムになっています。
まず、本作ではマップ上で自分の正確な現在位置を把握することができません。L3ボタンを押すことで「ここはどこ?」という機能を使うことができるのですが、「うーん、なんとなくこのへんかな!」ぐらいの情報しか得ることができず、自分が今どこにいて、目的地までどれくらいなのかをハッキリと把握することができないシステムになっています。
また、このマップの表示は最大倍率まで拡大してもアイコンがかなり小さく表示されているため、画面から離れている場合にどこに何があるのかがまったく分かりません。
特にアイコンが密集している場所では、もともとのアイコンが小さい上にアイコン同士が重なってマップ上に表示されているため、目的地を見失うことが多々ありました。昨今のオープンワールド作品のように洗練されたUIやユーザビリティに慣れている人ほど、本作のシステムにストレスを感じてしまうかもしれません。





少なくとも目的地までの距離ぐらいは分かるようにしてほしかった
世界観に似つかわしくない残虐な描写の数々


本作はニューカレドニアの風景や文化からインスパイアを受けている世界観であるだけに、ストーリーの内容もさぞ心温まる内容になっていると期待していたのですが、実際はとても世界観に似つかわしくないストーリーとなっていました。
本作のストーリーの一部では、主人公と友達になった少女が主人公の前で生きたままニワトリの頭を切断したり、敵の幹部が人間の赤ちゃんを丸呑みしてしまうなど、グロテスクな表現や残虐な描写が含まれているシーンがありました。
「ニューカレドニアからインスピレーションを受けた」と散々言っていた割に、ストーリーの内容に関しては文化も何もあったものではない内容となっているため、この点に関してはかなり残念に感じた部分でした。



この雰囲気の作品で血は見たくなかった……
『Tchia』をオススメできる人
ストーリーに重点を置いていないオープンワールド作品を遊びたい人


本作をオススメできる人は、ストーリー重視ではないオープンワールド作品を遊びたい人です。
本作は決して『Ghost of Tsushima』や『Horizon Forbidden West』のような没入感のあるストーリーや迫力のある戦闘が楽しめる作品ではありません。前述したように本作のストーリーは自然豊かな世界観には似つかわしくない少し闇を含んでいるストーリー内容となっており、戦闘自体も敵に火を点けて逃げることを繰り返すだけのかなり単調なものとなっています。
そのため、ストーリーや戦闘にはあまりこだわらず、オープンワールドならではの広大なフィールドを自由に駆け回ったり、本作独自のシステムである「ソウルジャンプ」を使って、色んなオブジェクトに憑依して島の隅々まで探索を楽しみたい人にはオススメできる作品となっています。



雰囲気はバツグンの作品です!
まとめ:『Tchia』はニューカレドニアの雰囲気だけを楽しむアドベンチャー作品


ニューカレドニアからインスピレーションを受けて制作されたPS5/PS4用のオープンワールドアドベンチャー作品『Tchia』について紹介しました。
個人的な評価としては、『Tchia』はニューカレドニアの雰囲気だけを楽しむ作品だと感じました。ニューカレドニアの風景や文化、音楽などをリスペクトして作り上げられている世界観はまさに開発者たちのニューカレドニア愛の結晶とも言える作品となっていると思います。
しかし、単調になりがちな戦闘や探索を面倒にしてしまっているUIの作り、世界観には似つかわしくない残虐な描写はオープンワールド作品である本作の評価を下げてしまっているように感じました。
とはいえ、本作はニューカレドニアの大自然を描いている部分においてはほかに類を見ない作品なので、普段から重厚なストーリーの作品を遊んでいて少し疲れてしまった人は、箸休めとして本作に触れてみるのはいかがでしょうか?
以上、カミナギタツキでした!


総合評価 | (2.0) |
ストーリー | (1.0) |
グラフィック | (3.5) |
音楽 | (3.0) |
遊びやすさ | (2.0) |
やり込み要素 | (3.0) |
満足度 | (1.0) |



最後まで読んでいただき、ありがとうございました!






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